介護業界について
介護業界を考察する上でのキーワードが
・社会保障費
・介護報酬制度
今後の介護業界のマーケットは確実に伸びていくことが予想できる。
それは、日本の少子高齢化 ※生産人口18~60歳迄
日本の人口は2017年現在で、約12700万人(生産人口62%)。
2030年には 約11660万人(生産人口58%)。
2040年には 約10500万人(生産人口54%)。
2050年には 約 9500万人(生産人口50%)。
この30年間で、人口は3000万人減り(東京都と同程度の人口)
65歳以上の高齢者は2000年時点で2000万人、2017年時点では3500万人、2030年には4000万人、2人に1人は65歳以上ということになる。おそろしく高齢化が進んでいることになる。
日本の国家予算の歳出と歳入でもっとも金額が大きいのが社会保障費。
前年度平成28年度でいうと
歳出入97兆円
歳出
社会保障 32.4兆円
地方交付税 15.5兆円
国債費 23.5兆円
社会保障の内容は、年金、医療、福祉である。
これを、だれでも受けやすくするために、社会保障給付として、1~3割負担でうけることができるのが今の現状です。
そしてこの中で、介護報酬制度というものがあり、65歳以上の方の医療、介護において、装具の使用や介護サービスを受けることも保険適用の範疇に入り、3年ごとに負担者割合が見直されています。
平成30年度の4月にも改定が決まっており、おそらく減額になるだろうといわれています。
受給者が増えているのに、税収がへっている現状で減らない訳がない。。
つまり、介護業界の事業者で、この介護報酬に依存度の高い事業者は経営が難しく
なるだろうということが予測できます。このあたりは企業の有価証券報告書をみればわかります。
介護事業者の内訳としては
・訪問介護
・通所介護
・訪問看護
・小規模多機能
・低、中、高価格有料老人ホーム
・介護用品
・人材派遣
この中で、増収増益傾向は、訪問介護、有料老人ホーム、人材派遣です。
訪問介護の企業としては、ケア21、ケアサービス、ロングライフ、シダー、等
有料老人ホームとしては、チャームケア、損保ホールディング等
人材派遣としては、ソラスト、キャリア等
介護用品としては、プラッツ、エラン、ケアサプライ、パラマウントベッド等
いずれも業界全体に増収増益傾向で特に老人ホーム事業は需要が増えて、介護報酬制度もあるので、右肩あがり、介護業界の課題である人不足も深刻なため、ソラストやキャリア等の介護業界人材派遣会社は絶好調。介護用品に関しては介護報酬の改定に左右されやすいので引き締めに敏感で売り上げに直接影響するため、増収増益ではあるけど、緩やかな上昇である。
今後もマーケットは拡大していき、2040年にはほぼ今の倍の数が高齢者ということになる。そのころにはとても今のような社会保障費の額ではないと予想される。
今後の介護業界を考えるうえでは、介護報酬の依存度を考慮する必要があり、利用者がなるべく実費で支払えるビジネスに伸びしろがあるのではないかと思う。
また、65歳以上で要介護認定の方は全体の15%程だというデータもあり、ほとんどの高齢者に働く意欲や体力もあると考えられる。単純に高齢者ではなく、65-75、75-85、85-95、等、ターゲットを年代別にすることでより確度の高いビジネスになるのではないかと思います。
話は少し変わるが、高齢化社会は相続する人の年齢も押し上げる。
つまり、親から子に遺産相続される年齢が子供が60歳以上ということがほとんどの今日、高齢者マーケットにお金は眠り続けることになる。これは日本経済にとっても、日本の人口問題に対しても危機的な状況で、若者世代に全くお金が循環しなくなり、人口減少に歯止めがかけられず、現状打破につながりにくい。
高齢者マーケットをより数字で理解し、ターゲット層を明確にしている企業にどんどん投資していこうと思ってます。